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感染症学:増補版 家畜疾病カラーアトラス

2016/05/23   -

農林水産省消費・安全局 日本ハイコム
CiNii
天下の農林水産省様監修によるカラーアトラス。毎年、国家試験の時期になると、各研究室でまとめて買います。普段買えるのかは不明です。国家試験用にはもちろんですが、普段の講義でも、感染症のイメージを得るためには良いアトラスだと思います。
欠点としては、感染症の解説が一切ない事です。写真に一行だけ、その写真に関する所見が書かれているだけです。そのため、「動物の感染症」などの教科書と合わせて読むのが良いと思います。(酒井)

感染症学:動物の感染症〈第二版〉

2016/05/23   -

動物別に書かれた感染症の教科書。前版に比べて、本のサイズが大きくなり、一つの感染症に関しても、より簡潔にまとめてあります。全体として見易くなっています。微生物の教科書と合わせて読むと、より理解が深まるでしょう。
図や写真、模式図が教科書には一切書いてありませんが、付属のCD-ROMに入っています。総論の部分の、「感染症に対する生体防御」の項は、簡潔にまとまっており、免疫の復習にもなります。(酒井)

感染症学:獣医感染症カラーアトラス 第2版

2016/05/23   -

650頁からなり病原体ごとに区分けされている。また細菌やウイルスの科自体に説明を入れ、そこに分類されている病原体が感染しどのような病名があるかと言う順序で説明がなされて行く。画像は豊富で臨床と疫学に力を入れている様に思えました。ちなみに多くの大学は文英堂の伝染病学の教科書だと思いますが、あれは動物ごとに症状で分かれています。違った視線で新たに勉強したい人にお勧めです。(naru)

感染症学:ペットを感染症から守る本

2016/05/23   -

兼島 孝 アニマル・メディア社 2011
Amazon
獣医療における衛生管理・感染制御について述べられた、数少ない資料です。
日本感染症学会で感染制御医としての認定を受けた獣医師が著したものであり、人医学におけるスタンダードも踏まえた上で、動物病院での対策について説明されています。
例えば、院内の床やケージはどのように消毒するべきなのか。犬でこんな感染症が発生したときはどんな消毒を使えるのか。スタッフはどのように動くのが良いのか。
大学の微生物の授業で習ったような内容を臨床現場に適用させるとどうなるのかが、平易な言葉で述べられています。

価格も安く、100ページもない薄さですので、臨床獣医師は漏れなく目を通しておくべきものと思われます。(kimu)

臨床疫学:エビデンスに基づく獣医療―最新かつ最良の診療方針を決定するために

2016/05/23   -

医学領域においてEBMの概念が提唱されたのは1990年代ですが、獣医療にはまだまだ浸透しているとは言えません。この本は2006年(原著は2003 年)発行ですが、獣医療におけるEBMを扱った(少なくとも日本では)最初のものです。
産業動物と伴侶動物の両方の事例を踏まえながら、エビデンスの階級分けや研究デザインの種類、(最低限の)統計学など、エビデンスを判断するために必要な知識が身につけられます。付録の用語集もコンパクトにまとめてあるので、知識を振り返って確認するのに適しています。ただし、最初の本であるが故か、全体としては少々情報が煩雑な印象を受けます。また、文献の探し方についても記述がありますが、英国に関する情報でありまた検索技術としては少々古い情報ですので、現在の日本の状況と照らし合わせると相違点も多いのが問題です。
獣医療に特化した本であるというメリットも考えられますが、より新しい情報・詳しい情報を望む方は人間のほうのテキストに当たるのが良いかもしれません。(kimu)

臨床疫学:Evidence-Based MEDICINE-EBMの実践と教育-

2016/05/23   -

EBMのゴールデンスタンダードで、ここから現代EBMが始まったと言っても良いかもしれません。臨床疫学を専門とする医学者の誰もが読んでいるでしょう。それだけあって、課題設定の立て方から文献の吟味、経済分析まで関連事項を網羅したような内容になっています。教育という観点を忘れておらず、実際に手を動かしてみる為の例題に沿って進んでいる部分もあります。
しかし一方で、原点なればこそ、まだ少々ほかの書籍よりわかりにくい部分も存在します。EBMのルーツを探るという目的がないのであれば、その他の入門書のほうがわかりやすい点も多いでしょう。
この分野は医療情報学との関連が深いことからも、著者らは即時的に更新されていくインターネットの可能性に当初(初版は1997年)から注目しています。そして「古い教科書は燃やしてしまいなさい」と彼ら自身が言うように、時代遅れになってしまう書籍のデメリットを補う為に、関連ウェブサイトが随時更新されています。こうした一連の活動から、これが単なる出版活動ではなく、EBM普及のための一大プロジェクトであるということが伝わってきます(kimu)。

臨床疫学:エビデンスに基づく動物医療―診療方針の決定のために―(サンダース ベテリナリー クリニクスシリーズ 3-3)

2016/05/23   -

臨床系の論文集として定評のあるVeterinary Clinics of North Americaシリーズの訳書です。原著が出てからそれほど時間も経っていないので、文献的価値も高いでしょう。
EBM(Evidence-Based Medicine / エビデンスに基づく医療)は 問題の定式化 に始まり、情報の検索、批判的吟味、治療(診断)法の適用、およびそれらによる 結果のフィードバック という5段階で構成されますが、本書ではそれらの子細に渡る解説から始まり、特に中心的存在である批判的吟味を行うための情報が丁寧に述べられています。また最後の3章では「猫の下部尿路疾患」「創傷管理」「血栓塞栓症」について、エビデンスに基づいたレビューを展開しており、EBM実践の実例が理解できるようになっています。
本書で特筆すべきは、情報検索の項目の新しさ(RSSフィードの使用まで紹介されている!)、統計手法の説明(親切なことに、研究デザインの立て方からカイ二乗検定やt検定の使い方まで)、決定分析という診療に密着した判断方法の紹介(要は正しいエビデンスの使い方)などで、それらについては人医療におけるEBMの参考書にも引けを取りません。統計の教科書などとは異なり、非常にわかりやすく説明してあるので、途中で脱落せず読破できるでしょう。その反面、断言口調になってしまい、厳密には「そこまで言ってしまっていいのかな?」と思うような箇所もあったりしますが、臨床疫学の専門家でもなければ気にするほどのものではありません。
2006年に同じく浅野先生が監訳された『エビデンスに基づく獣医療―最新かつ最良の診療方針を決定するために』(下で紹介)では、少々難解な表現や古い情報もあり、誰もが読むというには敷居の高いものでしたが、本書は誰でも気軽に読み始めることができるので、卒論の研究デザインに悩んでいる学生から、日和見の診療から脱したい臨床家まで、獣医師として1歩先に進むには最適の1冊です(kimu)。

臨床薬理学:最新 獣医治療薬マニュアル

2016/05/23   -

上述の通り、薬を処方する場合結局はPlumb'sを開くことになるんですが、ごくごく簡単に薬の概要だけを知りたい場合に開くのがこれです。世間一般の臨床獣医師さんはこの本を愛用してる方が多く、どの病院に行ってもだいたい置いてある本の一つがこれになります。Plumb'sに出会う前、薬理学の授業が始まってどうにも何から手をつけたら良いのか分からなかった時に、この本の中から研究室にある薬をピックアップして、種類別に分類していった記憶があります。入門書的な位置付けかと思います。(KA)

臨床薬理学:Plumb's Veterinary Drug Handbook

2016/05/23   -

Donald C. Plumb Wiley-Blackwell 2008(Ed6)
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膨大な参考文献を基に書かれた、薬物の本。教科書ではありませんから、薬力学や、代表的な薬理作用を学ぶという目的で書かれていません。
ここの薬物がA-Z順に並んでおり、その薬理作用、副作用、容量など事細かに書いてあります。犬猫だけでなく、ウシ、ウマ、ブタなどはもちろん、薬によってはトリやは虫類に対する容量まで書いてあります。
薬理学の勉強と平行して、代表的な薬物の項を読むと、良い勉強になると思います。また、臨床実習で出てきた薬物を調べるのには最良です。日本で未承認の薬物も含まれているようなので、注意が必要です。(酒井)

臨床現場で薬を処方する場合、相互作用、代謝、ドーズ、保存、禁忌など十分な情報を得る場合には、結局はこのハンドブックが必要になります。和書でもいくつか獣医向けのハンドブックが販売されていますが、そのどれもが情報量が不十分で、和書をあくせく開いて探すなら、「Plumb's見たほうが早い」ということになってしまいます。
研究室にある自分の蔵書の中でも、一番「ちょっと借りるね」率が高いのがこのハンドブックでもあります。自分が薬の処方に関わる場合には、必ずこれで調べるようにしています。(KA)

2008年6月に第六版が出版されていました。モノクロから二色刷りになったようです。(酒井)

日本語版-プラム 動物用医薬品ハンドブック

臨床病理学:Veterinary Hematology and Clinical Chemistry

2016/05/23   -

Mary Anna Thrall et al. Blackwell 2004
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臨床病理学の教科書。Penn大の臨床病理学の指定教科書になっていました。パラパラとめくった程度ですが、各検査項目に関して、細かく描いてあります。(酒井)