基礎獣医学 書評

実験動物学:現代実験動物学

2016/05/22   -

現時点(2012年)で最新(のはず)の実験動物学の教科書です.実験技術から育種学・繁殖学・飼育管理学,そして疾病学や発生工学などについてコンパクトに書かれています.比較実験動物学は非常に充実しています.動物実験を始める前に一読しておくと良いかもしれません.良書だとは思うのですが, 一色刷で,また,少し詰め込みすぎ感もありました.(NaO)

実験動物学:The Mouse in Biomedical Research, Volume 2, Second Edition: Diseases (American College of Laboratory Animal Medicine)

2016/05/22   -

James G. Fox, Stephen Barthold, Muriel Davisson, Christian E. Newcomer Academic Press 2006
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マウスの病気に特化した本です.DNA viruses,RNA viruses,Bacterial diseases,Mycotic and Parasitic diseases,Miscellaneous diseasesという順に,マウスの病気について詳しく書かれています.白黒で,基本的に文字だらけです.
マウスの病気の診断に使えるかと借りてみたのですが,残念ながらこの本はそういう目的には使えませんでした.“○○病について詳しく知りたい”といった時に威力を発揮するでしょう.(NaO)

微生物学:新 細菌培地学講座(上,下1,下2)

2016/05/21   -

上巻は培地に関わる総論で、培地の材料について細かく書かれていることはもちろん、細菌の代謝、増殖についても書かれているため、培地の原理がよくわかる。下巻は各論で、1では生理学および生化学テスト用の培地について、2では分離用培地について書かれている。
培地には、昔からの知識がつまっている。見えない細菌をいかにして見るかの工夫はどれもすばらしいものばかりである。培地を知ることで細菌に対する知識もより深くなっていくであろう。細菌に興味のある人にとってはもちろん、興味のない方も一読してみるとよい。(H)

病理学:Robbins & Cotran Pathologic Basis of Disease

2016/05/21   -

Vinay Kumar, Abul K. Abbas, Nelson Fausto, Jon Aster Saunders社 2010
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ヒトの病理学のスタンダードな教科書。管理人はパラパラめくったことがあるだけですが、フルカラーで大変見やすそうでした。読むとすれば、総論とその病態機序の部分でしょう。
amazonでは、原著の評価は大変高いですが、翻訳本は逆に大変低いです。こういった本は、やはり原著で読むことを推奨します。(酒井)

“病理学と言えばこの教科書”――そんな理由で買いましたが,大変満足できる本でした.英語は一文一文が少し長めで,最初は読んでいて苦しかったですが,慣れれば大した事はありません.中はカラーで読みやすいです.図は適量であるものの,写真はマクロ・ミクロともにやや少なめに感じました.
本を買うとSTUDENT CONSULTにアクセスができます.こちらのサービスはまだちょっとしか使っていませんが, 本文が全てネット上で読め,検索機能もあり,おまけに動画まであるのでとても良いです.(NaO)

病理学:Tumors in Domestic Animals

2016/05/21   -

Donald J. Meuten, Blackwell, 2002
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獣医腫瘍病理学のバイブル。これは教科書ではなく、参考書です。腫瘍の病理診断をするときの、一つの指標となる本です。通読する本ではありません。
病理の実習時等に、腫瘍の調べものをするのであれば、かなり役に立つと思います。ただし、腫瘍の病理学的所見は事細かに記載されていますが、臨床に関する事項はあまり載っていません。写真は豊富ですが、残念ながら白黒です。日本語訳もありません。
黒の表紙に、輝く赤色のタイトルが目を引きます。本棚の装飾にも一役買います。(酒井)

日本獣医がん学会の推薦図書にも挙げられています()(kimu)

病理学:Necropsy Show and Tell:Veterinary Pathology Images

2016/05/21   -

John M. King
ネット上で閲覧可能なカラーアトラス。【ここ】からいけます。pdfなどのファイルではなく、サイトです。2008年1月現在で、2783枚の写真が閲覧可能となっています。英語ですが、写真がメインですので、問題ないかと思います。
TopからSimple Serchをクリックして、写真が観たい疾病の英単語を入れれば、すぐに閲覧する事が出来ます。病名の英単語は、有名なものであれば大抵教科書に書いてありますので、それをたよりに検索してみてください。(酒井)

病理学:動物病理カラーアトラス

2016/05/21   -

全編フルカラーの病理組織アトラス。上記の二冊と平行して、出てきた疾患をアトラスで確認すると、記憶にも残りやすく効果的です。
最近第二版になり、前版ではなかった肉眼写真が加えられました。また、見逃されがちですが、本書の「獣医病理学組織学の学び方と本書の使い方」の項は、一読することをお勧めします。病理学的なものの考え方がよくわかります。(酒井)

獣医病理学のカラーアトラスです.マクロ(肉眼写真)よりミクロ(組織切片写真)のほうが多いです.病理学実習の際にはとても役立ちましたが,もちろん,全ての病気をカバーしているわけではありません.(NaO)

病理学:動物病理学各論

2016/05/21   -

器官系統的に、代表的な病理疾患を記述した教科書。総論と同じく、図も写真も白黒です。各論に関しては、ヒトの教科書では学べないので、この教科書できっちりと学ぶと良いでしょう。
多くの人は、病理学で初めて「病気」を系統立てて学ぶと思います。その病気の代表的な病理変化を覚え、その病理変化の機構を総論で確認すると、病気を体系的に理解できると思います。
また、後の内科や外科などで再び同じ疾患に出会ったときに、もう一度見直すと、一つの疾患を様々な視点で見る癖がつくと思います。(酒井)

獣医病理学各論の教科書.総論同様,コンパクトにまとまっているので,ちょっとした調べものには有用です.しかし写真は白黒なのであまり役には立ちません.もっと詳しく知りたい時は“Pathologic Basis of Veterinary Disease”を読みましょう.(NaO)

病理学:動物病理学総論

2016/05/21   -

簡潔に書かれた総論の教科書。図や写真もあまりなく、白黒ですから、これもアトラスとしては期待できません。しかし、病理学に必須の様々な概念が、多すぎず、少なすぎず、きれいにまとまっています。
各論に進み、わからない単語や概念があったら、また総論に戻り、総論と各論を行き来しつつ、何度も読み返せば、病理学の難解な用語も自然に頭に入ってくると思います。(酒井)

獣医病理学総論の教科書です.わりとコンパクトに内容がまとめられています.中は白黒です.大学の授業の復習をするのならこの本で充分だと思いますが,さらに詳しく知りたくなった時は“Pathologic Basis of Veterinary Disease”をオススメします.(NaO)

免疫学:好きになる免疫学

2016/05/16   -

免疫学入門に最適な本。いわゆる教科書ではなく、一般人にも読めるように書かれています。獣医学生も、はじめは一般人な訳ですから、こういった本を導入に使うのは効果的かと思います。免疫担当細胞たちが、デフォルメされたイラストで描かれており、難解な免疫学の基礎を親しみやすいものにしてくれます。
あくまで入門書として読みましょう。読了したならば、Immunobiologyなどの教科書に進むと良いと思います。
ちなみに、「好きになるシリーズ」として、解剖、生理、病理等が出版されています。(酒井)