その他 書評

その他:マルマン スケッチブック A4 S131

2016/05/15   -

マルマン
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単なる白紙のスケッチブック。解剖学実習や組織学実習で、必須のものでしょう。それ以外のお薦めの使い方があります。それは、教科書の模式図等を、このスケッチブックに書き写す事です。ノートに書き写しても良いのですが、線が入っているノートですと、模式図も見にくくなります。書き写したものを見比べてみれば一目瞭然ですが、スケッチブックに写した模式図は、ノートに比べて、断然きれいに見えます。
欠点としては、ページ数の割に値段が高い事でしょうか。生協で安売りをしている時期を狙いましょう。(酒井)

その他:作法心得

2016/05/15   -

林 實
ネット上でも、ダウンロードしても読める作法書。「ここ」で読めますし、ダウンロードも出来ます。もちろん無料です。古今東西の作法に関して、事細かに記述されています。おそらく一生使わないであろう、儀式的な作法から、日々の日常的動作まで、幅広い作法について書かれています。また、その作法が生まれた歴史、その時代背景にまで言及されているので、読み物としても大変読み応えがあります。
臨床家にとって、知識や技術と同時に、作法やマナーも重要であると思います。また、臨床以外の職業であっても、一般的作法を知っていて損はありません。日々の勉強に疲れたときに、気分転換をかねて読んでみることをお勧めします(酒井)

啓蒙書:アメリカ動物診療記―プライマリー医療と動物倫理

2016/05/15   -

 比較的簡易な文章で書かれており、読みやすい。専門用語などもほとんど使われておらず、獣医関係者以外の人でも読むことができるだろう。
 アメリカにおける野良猫対策事情や安楽死、小動物臨床現場の実際など内容は多岐に及ぶ。これはアメリカの事情であり、状況が異なる日本ではその事情をそのまま受け入れることはなかなか難しいかもしれないが、それでも参考になる部分はいくつもあるので、よりよい獣医業界のこれからのために是非一読してもらいたいと思う。
 また、なかでも「日本の獣医師がアメリカで獣医師免許を取得するための方法」については特に興味をひかれた。日本ではなかなかそういった情報は手にはいらないので、海外を目指す獣医学生にとっては参考になるだろう。(hadaka)

啓蒙書:自分の小さな「箱」から脱出する方法

2016/05/15   -

マネジメント、リーダーシップについて、得るところが大きい書籍です。
マネジメントには、真摯さという資質が重要な要件として求められます。資質と表現しましたが、真摯さは、ある意味では生来から限られてしまう性格、ないしは環境によるところが大きいのかもしれません。しかしながら、一方で裏を言えば、性格や環境というのは、産まれてからのこころがけで改善できることでもあります。
そのこころがけとは、一個人として組織の当事者であり、周囲に自分自身の正確な意思を伝達し、お互いに影響を与え合っていくのだという覚悟です。いうなれば、リーダーシップです。
この書籍は、リーダーシップを発揮するにあたり、人が自分自身の意思で作ってしまいがちな「箱」の中に入り込まないようにすることを、複数の登場人物によるレクチャー形式で伝えていきます。このレクチャーは、普段からコミュニケーションをしている相手を尊重するために再度にわたり行われます。尊重の前提となるのは「素の自分」です。自分を見つめ、掘り下げていく対話を繰り返し「素の自分」を発見していきます。自己と他者(同僚、上司、部下、妻、子供等)との人間関係を見つめながら、「箱」という概念を理解していきます。
端的に「箱」とは何かというと・・・、「自分への裏切り」や「自己欺瞞」のことです。「箱」に入ってしまったとき、人はリーダーシップの発揮どころではなくて、人間関係を円滑にする機会を自ら放棄しています。「『箱』の中にいる状況がどういうものか?」というのは、この書籍を読み進めながら、身に染み込むように感じることができます。なぜなら、誰しも過去にあったであろう状況を登場人物が演じてくれるからです。
特に、獣医師として、この書籍を身近に感じ、面白いと思えるのは、19世紀の医師、ゼンメルヴァイス(ゼンメルワイス: Semmelweis)が発見した産褥熱の防疫方法の逸話です。彼の真摯な姿勢により、彼はその時代に人々が見えなかったことがらを見つけることができました。そのことによって、疫学的に大きな飛躍を組織にもたらしたのです。医療関係者の真摯さの重要性について、読者が深く考える機会を与えてくれます。獣医師も真摯さを失わず、周囲への影響力を発揮し、十分に専門性を発揮したいところです。
円滑な人間関係はマネジメントの実践にとって重要な資本です。「自分への裏切り」や「自己欺瞞」という「箱」に陥ることなく、マネジメントを実践していきましょう。(松井 匠作)

啓蒙書:もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

2016/05/15   -

あらゆるメディアで取り上げられているから、知らない人はほとんどいないかもしれません。でも知っているだけで読んでいない方、ぜひ、読みましょう。とても役に立つし、おもしろい。
野球部のマネージャーとなった女子高生「みなみ」が、野球部総員による工夫を喚起し、試合に勝ち進みます。「みなみ」の影響力は野球部にとどまらず、学内のほかの部活動、地域住民、そして彼女の大切な人へもたらされ、さらに思いもしなかった人物にまで波及していたことに気がつくというストーリーです。
「みなみ」はピーター・ドラッカーの著書『マネジメント』を手本にして、野球部の運営に取り組みます。マネジメント(経営者)のマインドをもって当事者として野球部において真摯に自らの立場をとるのです。組織の経営者はトップの数人だけとは限りません、自らが当事者意識を持てば、誰しも経営者になりうるのです。なにかの組織の一員であるあなたも経営者になれます。あなたも。
マネージャーとなった「みなみ」は、まず誰が野球部にとっての顧客なのか真剣に考えて、それを設定します。これこそが、マネジメントの出発点となっています。ところで、獣医師にとっての顧客とは、誰だろうか考えたことがありますか?
組織において、多面的に考えることの大切さもこの書籍は啓示しています。たとえば、この本によって、「なるほど・・・、会社の上司はこのように思考しているのか・・・」、という思いを得たり、あるいは、「上司である自分はこのように部下に対して実践できているのだろうか・・・」というような反省をすることもできます。会社組織の上司部下、サークルの先輩後輩、学校の先生生徒、家庭の親子といった上下の関係だけでなく、友人同士、恋人同士等の平行な関係のおつきあいにも・・・、役に立ちます。いわんや、動物病院や共済組合という組織においておや。
この書籍には、野球の専門家として、野球部の監督が登場します。この監督は「みなみ」のおかげで、その専門性を十分に発揮することができるようになります。あらゆる専門家にとっての社会活動を円滑にするヒントが隠されています。さて、獣医師という専門家がどのような立場をとれば、自らの専門性を発揮できるようになれるのでしょうか?あるいはその専門性を持った人物とともに、自分がどのように振る舞うと、うれしい結果がもたらされるのでしょう?
その答え、ヒントはこの書籍の中に・・・。(松井 匠作)

啓蒙書:ザ・ビジョン―プロフェッショナル獣医師による新型動物病院組織

2016/05/15   -

企業動物病院の代表取締役の方が執筆された本。日本の小動物病院業界と、米国の動物病院業界を比較し、日本の問題点、改良点が述べられています。
小動物臨床指向の方は、一読の価値があります。特に、あまり小動物臨床業界を知らず、何となく小動物臨床を考えている方にとって、その将来性を隠さず書いたこの本は、衝撃的であるかもしれません。特に、若い学年の学生には読んでもらいたい本です。(酒井)

啓蒙書:二歩先をゆく獣医さん―ガン、心臓病、皮膚病…ここまでできる専門医療

2016/05/15   -

一般人向けに書かれた、獣医師紹介本。獣医学生が読んでも、得るものは多くあります。学会やセミナーなどでよく見聞きする有名な先生方が、多数紹介されています。(酒井)

マンガ:Iwamal―岩丸動物診療譚

2016/05/14   -

獣医漫画。獣医漫画と言えば「動物のお医者さん」が最も有名ですが、こちらは全く毛色が違う獣医漫画です。イヌ、ネコはあまり出てきません。クマ、サイ、ゾウ、オランウータン、闘牛、ナマケモノ、イルカなど、教科書にはほとんど出てこない、野生動物が中心です。
この漫画の面白いところは、各話の最後の欄外に、参考文献が書かれている事です。管理人はその参考文献まで読んだ事はありませんが、興味のある方は読んでみると良いと思います。(酒井)