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臨床病理学:ATLAS OF VETERINARY HEMATOLOGY

2016/05/23   -

John W. Harvey Elsevier 2000
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「血液と骨髄が読めるようになりたい」という方は、いずれこれに辿り着くのだと思います。「犬と猫の尿・血液検査マニュアル¥ 9,450 hontoで購入」「犬と猫の臨床血液学¥ 18,900 hontoで購入」といった和書もあるにはあるのですが、画像が圧倒的に少ないのと、値段がいかにもバカらしいのでコストパフォーマンスを考えてもやっぱり Atlas of Veterinary Hematologyになってしまうのだと思います。犬と猫の尿・血液検査マニュアルは、質・量ともに貧弱です。犬と猫の臨床血液学は、情報量は多いのですが「この量でこの値段!?」と、かなり残念な気持ちになります。
Atlas of Veterinary HematologyはAtlasの名の通り画像メインで論理的な詳細に乏しいという感じもありますが、血液を見てて何か調べものをしようと思う理由って「この形態はどういう機序で発生したのか・・?」と思うよりも、圧倒的に「なに!?これ!!!」の場合の方が多いはずなので、結局は画像が多いほうがよいのだと思います。その像がどういうものかさえ分かれば、詳細は「獣医内科学」なんかで情報が得られるわけですから。よく眺めてる本の一つです。(KA)

臨床病理学:Atlas of Canine and Feline Cytology

2016/05/23   -

Rose E. Raskin, Denny Meyer Elsevier 2001
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細胞診に関する本の中でも、もっともわかりやすく、詳しく、読みやすい和書です。FNA検査だけでなく、体腔内液・尿・脳脊髄液各検査の項目もあります。写真が多く、また写真の解説も豊富なので、確実に知識がついていきます。低学年向けではないですが、細胞診に興味のある学生にはおもしろい一冊だと思います。かなり高価ですが、一冊あるとかなり重宝します(Y)。

日本語版-カラーアトラス犬と猫の細胞診

臨床病理学:伴侶動物の臨床病理学

2016/05/22   -

日本臨床獣医学フォーラム代表 石田卓夫先生の著書『獣医臨床病理学I・II』が大幅に改訂され、一冊の本として出版されました。どの項も大変勉強になりますが、特に、診断学のPOMRという考え方は、大変重要な事なので、じっくりと読んでもらいたいです。(酒井)

内科学:普及版 犬と猫の皮膚科臨床

2016/05/22   -

書籍としての出版年は2008年ですが、もともとは2000年に発行された「ACS通信教育 犬と猫の皮膚科臨床」に対して加筆・修正したものです。
簡潔な説明と明快なカラーイラスト・写真により、非常にわかりやすい構成となっており、皮膚科領域について学ぶための入門書として優れています。日本における状況を踏まえて執筆されているので、臨床で活用できる機会も多いことでしょう。
また、付録として巻末に掲載されているまとめのテストや略語、薬品一覧も有用でしょう。

ただし、各情報の根拠を示す引用文献が明記されていないため(参考図書リストはありますが)、元情報の原文にあたったり、その情報の新しさを確認することができないという難点があります。従って、より詳細な情報が載っている別のテキストも参考にしながら、ハンドブックのように用いるのが賢明かもしれません。

内科学:徴候からみる鑑別診断―犬と猫の臨床

2016/05/22   -

長谷川篤彦 学窓社 2010
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『徴候からみる鑑別診断』という書名が示すとおり、これは食欲異常や呼吸異常、嘔吐といった徴候から、診断に至るためのプロセスを学ぶための一冊です。病名を一から順に学んでいくテキストとは一線を画します。
実際の臨床現場では、動物が診断名をぶらさげてやってくるわけではなく、いくつかの徴候を示してやってくるため、このようにまとめられたテキストは大きな価値をもってきます。臨床に携わることになった新人獣医師が診断プロセスについて学ぶため、また既に一定の経験を積んだ獣医師が診断について見直すのに有効でしょう。
ただし、病因論や転機などについて詳しく述べられているわけではないので、やや物足りなく感じる面もあるかもしれません。深く学ぶ目的では、別のテキストにあたる必要があります。
なお、付録のDVDがありますが、これもやや物足りない感が拭えません。あくまで補助教材と認識しておくほうが良いでしょう。(kimu)

内科学:獣医内科学

2016/05/22   -

日本語の獣医内科学の教科書。小動物編と大動物編の二冊に分かれています。上述の二つの教科書と比べると、見劣りしてしまいますが、内科学全般にわたって書かれています。(酒井)

内科学:Small Animal Internal Medicine (National Veterinary Medical Series for Independent Study)

2016/05/22   -

Darcy H. Shaw, Sherri L. Ihle Wiley-Blackwell 1997
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アメリカでは教科書として用いられているそうです。疾患名から詳細を掘り下げていく形式ではなく、症状から「こういった原因が考えられる」をリストアップしてゆく形式で、

「なんでこの仔は吐くんだろう・・・?」

の類症鑑別として見るには良いテキストだと思います。より実践的な(臨床的な)テキストという風に感じます。文章はごく基礎的な単語で構成されてますので、内科学全般を復習するために流し読みするには適当なテキストだと思っています。
それよりも何よりも、お値段の安さがとても素晴らしいと思います。(KA)

内科学:Small Animal Internal Medicine

2016/05/22   -

Richard W. Nelson, C. Guillermo Couto Elsevier 2008
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小動物内科学の良書。Textbook of Veterinary Internal Medicineとは対照的に、図や写真が豊富で、フルカラーです。
日本語版はなぜか上下二冊に分かれており、価格も10万円ほどします。原著は改訂され、最新は第4版です。(酒井)

小動物内科学の教科書です.小動物内科学の教科書には本書(Nelson)と“Textbook of Veterinary Internal Medicine”(Ettinger)がありますが,Amazon.comでのレビューを見て,「Nelsonの方が主流かな?」と感じたので,こちらを買いました.写真が結構あり,英語は簡単で非常に読みやすく,説明もわかりやすいです.日本語版はすごく値段が高いので,小動物内科学に興味のある方は原著の利用をおすすめします.(NaO)

日本語版: スモールアニマル・インターナルメディスン

上-hontoで購入, 下-hontoで購入

内科学:Textbook of Veterinary Internal Medicine

2016/05/22   -

Stephen J. Ettinger, Edward C. Feldman Saunders 2005

獣医内科学のバイブル。上下二冊セットで、2000ページを超える教科書です。内容も、かなり細かい字で、これでもか!というくらいぎっしりと書かれています。写真等はほとんどなく、白黒です。
通読するものではないと思っていたのですが、米国獣医内科学専門医の受験のためには、通読が必須だそうです。いったい何日で読むのでしょう?
残念ながら、日本語版は二つ前の版で止まっています。(酒井)

日本語版-小動物内科学全書

内科学:The 5-Minute Veterinary Consult: Canine and Feline

2016/05/22   -

Larry P Tilley, Francis W Smith Lippincott Williams & Wilkins 2008
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非常に見やすい疾患別の参考書。A-Z順で、内科疾患を中心に様々な疾患に関してまとめられています。少ないもので1ページ、多いものでも見開き2ページにまとめられているので、大変見やすいです。どの疾患も、基礎知識、診断、治療、投薬、経過、その他など、統一して書かれています。
臨床家が、診察前の5分間で、その疾患の確認をする、といった目的で書かれているようです。しかし、学生が個々の疾患を調べる時にも、非常に役に立ちます。このページ数(1500ページほど)とこの分量で、この値段は安すぎるくらいです。
欠点としては、図や写真がほとんどない事でしょうか。付属のCD-ROMには入っています。余談ですが、この本の表紙の色が、初版では緑、二版で黄色、三版では赤色です。どんどん危険な色になっています。四版が発売されました。なんと予想通り表紙は黒色です。(酒井)

とある米国内科学専門医の先生は、Resident時代にこの教科書の使用は止められていたそうです。確かにすぐ調べられるのは良いのですが、あまりにも病態生理についての記述が少なすぎるからです。やはり病気を理解するには原因→体内病理動態→症状発現を理解しなければいけないということでしょうね。(F)

日本語版-小動物臨床のための5分間コンサルト【第3版】 犬と猫の診断・治療ガイド