臨床獣医学 書評

臨床薬理学:最新 獣医治療薬マニュアル

2016/05/23   -

上述の通り、薬を処方する場合結局はPlumb'sを開くことになるんですが、ごくごく簡単に薬の概要だけを知りたい場合に開くのがこれです。世間一般の臨床獣医師さんはこの本を愛用してる方が多く、どの病院に行ってもだいたい置いてある本の一つがこれになります。Plumb'sに出会う前、薬理学の授業が始まってどうにも何から手をつけたら良いのか分からなかった時に、この本の中から研究室にある薬をピックアップして、種類別に分類していった記憶があります。入門書的な位置付けかと思います。(KA)

臨床薬理学:Plumb's Veterinary Drug Handbook

2016/05/23   -

Donald C. Plumb Wiley-Blackwell 2008(Ed6)
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膨大な参考文献を基に書かれた、薬物の本。教科書ではありませんから、薬力学や、代表的な薬理作用を学ぶという目的で書かれていません。
ここの薬物がA-Z順に並んでおり、その薬理作用、副作用、容量など事細かに書いてあります。犬猫だけでなく、ウシ、ウマ、ブタなどはもちろん、薬によってはトリやは虫類に対する容量まで書いてあります。
薬理学の勉強と平行して、代表的な薬物の項を読むと、良い勉強になると思います。また、臨床実習で出てきた薬物を調べるのには最良です。日本で未承認の薬物も含まれているようなので、注意が必要です。(酒井)

臨床現場で薬を処方する場合、相互作用、代謝、ドーズ、保存、禁忌など十分な情報を得る場合には、結局はこのハンドブックが必要になります。和書でもいくつか獣医向けのハンドブックが販売されていますが、そのどれもが情報量が不十分で、和書をあくせく開いて探すなら、「Plumb's見たほうが早い」ということになってしまいます。
研究室にある自分の蔵書の中でも、一番「ちょっと借りるね」率が高いのがこのハンドブックでもあります。自分が薬の処方に関わる場合には、必ずこれで調べるようにしています。(KA)

2008年6月に第六版が出版されていました。モノクロから二色刷りになったようです。(酒井)

日本語版-プラム 動物用医薬品ハンドブック

臨床病理学:Veterinary Hematology and Clinical Chemistry

2016/05/23   -

Mary Anna Thrall et al. Blackwell 2004
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臨床病理学の教科書。Penn大の臨床病理学の指定教科書になっていました。パラパラとめくった程度ですが、各検査項目に関して、細かく描いてあります。(酒井)

臨床病理学:ATLAS OF VETERINARY HEMATOLOGY

2016/05/23   -

John W. Harvey Elsevier 2000
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「血液と骨髄が読めるようになりたい」という方は、いずれこれに辿り着くのだと思います。「犬と猫の尿・血液検査マニュアル¥ 9,450 hontoで購入」「犬と猫の臨床血液学¥ 18,900 hontoで購入」といった和書もあるにはあるのですが、画像が圧倒的に少ないのと、値段がいかにもバカらしいのでコストパフォーマンスを考えてもやっぱり Atlas of Veterinary Hematologyになってしまうのだと思います。犬と猫の尿・血液検査マニュアルは、質・量ともに貧弱です。犬と猫の臨床血液学は、情報量は多いのですが「この量でこの値段!?」と、かなり残念な気持ちになります。
Atlas of Veterinary HematologyはAtlasの名の通り画像メインで論理的な詳細に乏しいという感じもありますが、血液を見てて何か調べものをしようと思う理由って「この形態はどういう機序で発生したのか・・?」と思うよりも、圧倒的に「なに!?これ!!!」の場合の方が多いはずなので、結局は画像が多いほうがよいのだと思います。その像がどういうものかさえ分かれば、詳細は「獣医内科学」なんかで情報が得られるわけですから。よく眺めてる本の一つです。(KA)

臨床病理学:Atlas of Canine and Feline Cytology

2016/05/23   -

Rose E. Raskin, Denny Meyer Elsevier 2001
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細胞診に関する本の中でも、もっともわかりやすく、詳しく、読みやすい和書です。FNA検査だけでなく、体腔内液・尿・脳脊髄液各検査の項目もあります。写真が多く、また写真の解説も豊富なので、確実に知識がついていきます。低学年向けではないですが、細胞診に興味のある学生にはおもしろい一冊だと思います。かなり高価ですが、一冊あるとかなり重宝します(Y)。

日本語版-カラーアトラス犬と猫の細胞診

臨床病理学:伴侶動物の臨床病理学

2016/05/22   -

日本臨床獣医学フォーラム代表 石田卓夫先生の著書『獣医臨床病理学I・II』が大幅に改訂され、一冊の本として出版されました。どの項も大変勉強になりますが、特に、診断学のPOMRという考え方は、大変重要な事なので、じっくりと読んでもらいたいです。(酒井)

内科学:普及版 犬と猫の皮膚科臨床

2016/05/22   -

書籍としての出版年は2008年ですが、もともとは2000年に発行された「ACS通信教育 犬と猫の皮膚科臨床」に対して加筆・修正したものです。
簡潔な説明と明快なカラーイラスト・写真により、非常にわかりやすい構成となっており、皮膚科領域について学ぶための入門書として優れています。日本における状況を踏まえて執筆されているので、臨床で活用できる機会も多いことでしょう。
また、付録として巻末に掲載されているまとめのテストや略語、薬品一覧も有用でしょう。

ただし、各情報の根拠を示す引用文献が明記されていないため(参考図書リストはありますが)、元情報の原文にあたったり、その情報の新しさを確認することができないという難点があります。従って、より詳細な情報が載っている別のテキストも参考にしながら、ハンドブックのように用いるのが賢明かもしれません。

内科学:徴候からみる鑑別診断―犬と猫の臨床

2016/05/22   -

長谷川篤彦 学窓社 2010
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『徴候からみる鑑別診断』という書名が示すとおり、これは食欲異常や呼吸異常、嘔吐といった徴候から、診断に至るためのプロセスを学ぶための一冊です。病名を一から順に学んでいくテキストとは一線を画します。
実際の臨床現場では、動物が診断名をぶらさげてやってくるわけではなく、いくつかの徴候を示してやってくるため、このようにまとめられたテキストは大きな価値をもってきます。臨床に携わることになった新人獣医師が診断プロセスについて学ぶため、また既に一定の経験を積んだ獣医師が診断について見直すのに有効でしょう。
ただし、病因論や転機などについて詳しく述べられているわけではないので、やや物足りなく感じる面もあるかもしれません。深く学ぶ目的では、別のテキストにあたる必要があります。
なお、付録のDVDがありますが、これもやや物足りない感が拭えません。あくまで補助教材と認識しておくほうが良いでしょう。(kimu)

内科学:獣医内科学

2016/05/22   -

日本語の獣医内科学の教科書。小動物編と大動物編の二冊に分かれています。上述の二つの教科書と比べると、見劣りしてしまいますが、内科学全般にわたって書かれています。(酒井)

内科学:Small Animal Internal Medicine (National Veterinary Medical Series for Independent Study)

2016/05/22   -

Darcy H. Shaw, Sherri L. Ihle Wiley-Blackwell 1997
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アメリカでは教科書として用いられているそうです。疾患名から詳細を掘り下げていく形式ではなく、症状から「こういった原因が考えられる」をリストアップしてゆく形式で、

「なんでこの仔は吐くんだろう・・・?」

の類症鑑別として見るには良いテキストだと思います。より実践的な(臨床的な)テキストという風に感じます。文章はごく基礎的な単語で構成されてますので、内科学全般を復習するために流し読みするには適当なテキストだと思っています。
それよりも何よりも、お値段の安さがとても素晴らしいと思います。(KA)