臨床獣医学 書評
外科学:Small Animal Surgery Textbook
2016/05/24
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原著は最近改訂されました。日本語訳は一つ前の版まで出ていますが、small animal internal medicineと同様、異様に高い値段がついています。(酒井)日本語版-スモールアニマルサージェリー
外科学:Equine Respiratory Medicine and Surgery
2016/05/24
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学生が勉強すると言う点から考えると、馬独特の手技(例を挙げるとTieBackなど)なども多く、大動物の中でもかなり特殊な一面を有するが考え方として非常に有効的な病態解釈が勉強できると思われる。(Naru)
外科学:ロジックで攻める!! 初心者のための小動物の実践外科学
2016/05/24
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枝村 一弥 チクサン出版社 2007-06-10
総論部分では、無菌捜査の基本である手の洗い方からドレープの掛け方、縫合糸の選択、手術器具の名称などにも触れており、まさに学部生が一から学ぶための教科書という様相を呈しています。各論についても診断方法から基本的な術式まで丁寧に解説されていますが、避妊・去勢や乳腺腫瘍切除から肺葉切除まで外科実習でやりそうな術式に限定されており、整形外科やそのほかの特殊な術式などについてはあえて掲載されてませんので、そうした部分については別の書籍で補うことにはなります。
全体として写真やイラストが多く、解剖生理や病理などの理論もしっかりした内容になっています。また、随所に様々なエビデンスも盛り込まれており、ある程度習熟している獣医師にとっても参考に値するものでしょう。これからの獣医学生および小動物臨床家はみな買うことになる一冊だと思います。 (kimu)
感染症学:増補版 家畜疾病カラーアトラス
2016/05/23
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CiNii
欠点としては、感染症の解説が一切ない事です。写真に一行だけ、その写真に関する所見が書かれているだけです。そのため、「動物の感染症」などの教科書と合わせて読むのが良いと思います。(酒井)
感染症学:動物の感染症〈第二版〉
2016/05/23
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明石 博臣 近代出版 2011-05-10
図や写真、模式図が教科書には一切書いてありませんが、付属のCD-ROMに入っています。総論の部分の、「感染症に対する生体防御」の項は、簡潔にまとまっており、免疫の復習にもなります。(酒井)
感染症学:獣医感染症カラーアトラス 第2版
2016/05/23
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見上彪 文永堂出版 2006-06
感染症学:ペットを感染症から守る本
2016/05/23
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日本感染症学会で感染制御医としての認定を受けた獣医師が著したものであり、人医学におけるスタンダードも踏まえた上で、動物病院での対策について説明されています。
例えば、院内の床やケージはどのように消毒するべきなのか。犬でこんな感染症が発生したときはどんな消毒を使えるのか。スタッフはどのように動くのが良いのか。
大学の微生物の授業で習ったような内容を臨床現場に適用させるとどうなるのかが、平易な言葉で述べられています。
価格も安く、100ページもない薄さですので、臨床獣医師は漏れなく目を通しておくべきものと思われます。(kimu)
臨床疫学:エビデンスに基づく獣医療―最新かつ最良の診療方針を決定するために
2016/05/23
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ピーター・D.コッククロフト,マーク・アドリアン・ホルメス インターズー 2006-05
産業動物と伴侶動物の両方の事例を踏まえながら、エビデンスの階級分けや研究デザインの種類、(最低限の)統計学など、エビデンスを判断するために必要な知識が身につけられます。付録の用語集もコンパクトにまとめてあるので、知識を振り返って確認するのに適しています。ただし、最初の本であるが故か、全体としては少々情報が煩雑な印象を受けます。また、文献の探し方についても記述がありますが、英国に関する情報でありまた検索技術としては少々古い情報ですので、現在の日本の状況と照らし合わせると相違点も多いのが問題です。
獣医療に特化した本であるというメリットも考えられますが、より新しい情報・詳しい情報を望む方は人間のほうのテキストに当たるのが良いかもしれません。(kimu)
臨床疫学:Evidence-Based MEDICINE-EBMの実践と教育-
2016/05/23
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David L. Sackett,W.Scott Richardson,R.Brian Haynes,Sharon E. Straus,William Rosenberg エルゼビア・ジャパン 2003-02
しかし一方で、原点なればこそ、まだ少々ほかの書籍よりわかりにくい部分も存在します。EBMのルーツを探るという目的がないのであれば、その他の入門書のほうがわかりやすい点も多いでしょう。
この分野は医療情報学との関連が深いことからも、著者らは即時的に更新されていくインターネットの可能性に当初(初版は1997年)から注目しています。そして「古い教科書は燃やしてしまいなさい」と彼ら自身が言うように、時代遅れになってしまう書籍のデメリットを補う為に、関連ウェブサイトが随時更新されています。こうした一連の活動から、これが単なる出版活動ではなく、EBM普及のための一大プロジェクトであるということが伝わってきます(kimu)。
臨床疫学:エビデンスに基づく動物医療―診療方針の決定のために―(サンダース ベテリナリー クリニクスシリーズ 3-3)
2016/05/23
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ペギー・L.シュミット,浅野隆司 インターズー 2008-02
EBM(Evidence-Based Medicine / エビデンスに基づく医療)は 問題の定式化 に始まり、情報の検索、批判的吟味、治療(診断)法の適用、およびそれらによる 結果のフィードバック という5段階で構成されますが、本書ではそれらの子細に渡る解説から始まり、特に中心的存在である批判的吟味を行うための情報が丁寧に述べられています。また最後の3章では「猫の下部尿路疾患」「創傷管理」「血栓塞栓症」について、エビデンスに基づいたレビューを展開しており、EBM実践の実例が理解できるようになっています。
本書で特筆すべきは、情報検索の項目の新しさ(RSSフィードの使用まで紹介されている!)、統計手法の説明(親切なことに、研究デザインの立て方からカイ二乗検定やt検定の使い方まで)、決定分析という診療に密着した判断方法の紹介(要は正しいエビデンスの使い方)などで、それらについては人医療におけるEBMの参考書にも引けを取りません。統計の教科書などとは異なり、非常にわかりやすく説明してあるので、途中で脱落せず読破できるでしょう。その反面、断言口調になってしまい、厳密には「そこまで言ってしまっていいのかな?」と思うような箇所もあったりしますが、臨床疫学の専門家でもなければ気にするほどのものではありません。
2006年に同じく浅野先生が監訳された『エビデンスに基づく獣医療―最新かつ最良の診療方針を決定するために』(下で紹介)では、少々難解な表現や古い情報もあり、誰もが読むというには敷居の高いものでしたが、本書は誰でも気軽に読み始めることができるので、卒論の研究デザインに悩んでいる学生から、日和見の診療から脱したい臨床家まで、獣医師として1歩先に進むには最適の1冊です(kimu)。