2017年獣医な10大ニュース

例年投票により決めていた今年の獣医な10大ニュースですが、インパクトの大きかった10件のニュースについて、概要を紹介する形式といたします。

[①獣医学教育に大きな変化
獣医学部新設は2015年に特区決定した時点での既定路線だったわけですが、そのプロセスが大きな議論を呼びました。ある意味では獣医学が日本史上もっとも注目された1年でしたので、そのことが良い方向に進めばと願うばかりです。
一方、既存校における改革も着実に進んでおり、報道されただけでも、帯畜大、岩大-農工大、山大-鹿大の3つの(共同)大学院が来年から始まります。これは従来の連合大学院の枠組みが変わることになります。また、大阪府立大も市立大との統合案の検討が進められています。

[②猫虐待を動画公開の男、逮捕も猶予判決]
計13頭殺害の様子を動画投稿していた男が愛護法違反で逮捕、起訴され、厳罰を訴える署名等も各所でありました。犯行を正当化する余地はなく、懲役期間は求刑どおり1年10ヵ月が認められたものの、既に社会的制裁が大きいとのことで執行猶予4年となりました。

[③顧みられない熱帯病 激減]
WHOが2020年までに制圧を目指している「顧みられない熱帯病」のうち、ギニア虫感染症がほぼ撲滅、ほかにトラコーマや #このまま眠りつづけて死ぬ のアフリカ睡眠病も激減したことが報告されました。なお、ギニア虫は犬の関連も懸念されていました(Nature

[④アニサキス食中毒の報告増加]
法令改正で届出対象として明示されたこと、生の魚介類の流通・消費多様化などが理由に挙げられていますが、サバやアジ、イカなどに感染するアニサキスによる食中毒の報告数が、2007年6件が2016年124件と20倍に。他の食中毒としてはO157も注目されました。

[⑤マダニ媒介感染症に注意]
西日本を中心に話題となっているSFTSが、犬や猫から人に感染する可能性が示唆され、関係各所から注意喚起の通知が出されています。獣医療関係者は以下の書類(pdf)を要確認。また北海道では、昨年に続き国内2例目のダニ媒介性脳炎死者も出ています。

[⑥ヒアリ、襲来]
神戸港を初めとして、12/6現在で全26事例、12都府県にヒアリが確認されました(環境省)刺されるとアルカロイド系の毒による痛みと腫れがあり、時にアナフィラキシーもと大きく報じられました。防除に7億円弱をかけ、全国68港での調査も継続されます。

[⑦ヤマカガシ事故で血清不足に注目]
兵庫でヤマカガシを捕まえた小学生が噛まれ、血清療法により回復した事件で、毒蛇の抗血清製造の危機が広く知られることになりました。状況改善の必要性もあるでしょうが、まずは噛まれないよう注意しましょう(参考:ジャパンスネークセンター

[⑧神奈川県動物保護センター全額寄付は断念]
殺処分ゼロを達成した神奈川県が、殺処分設備のない施設に再建するにあたり、総額18億円のうち本館工費11億円を寄付で賄うべくPR活動を進めたものの、11月時点で2億3000万にとどまりました。県負担が9億円増額となり、見通しの甘さが指摘されています。

[⑨上野の子パンダ大人気]
上野動物園でジャイアントパンダのシンシンが6月12日に出産しました。産まれた雌パンダは「シャンシャン」と名づけられ、12月19日から抽選での一般公開が開始されました。一方、これまで16頭の繁殖実績があるアドベンチャーワールドも、にわかに注目されているようです。

[⑩犬飼育減少で猫以下に]
年末に報じられたペットフード協会による飼育数統計で、953万頭(前年比2%増)の猫に対して犬は892万頭と推定されました。7年前から300万頭減の3/4です。「2020-2025年問題」として業界で知られる、飼育頭数激減の時代が目の前のようです。

[次点 けもフレ話題]
動物そのものの話題ではありませんが、けものフレンズが注目され、動物園にも光が当たりました。すごーい。
ただ、2期の制作については色々あるようですが…

ーー以上10+αの獣医な10大ニュースでした。なお、紹介順は概ね最初の関連報道が出た順で、特に順位というわけではございません。