啓蒙書:アメリカ動物診療記―プライマリー医療と動物倫理

 比較的簡易な文章で書かれており、読みやすい。専門用語などもほとんど使われておらず、獣医関係者以外の人でも読むことができるだろう。
 アメリカにおける野良猫対策事情や安楽死、小動物臨床現場の実際など内容は多岐に及ぶ。これはアメリカの事情であり、状況が異なる日本ではその事情をそのまま受け入れることはなかなか難しいかもしれないが、それでも参考になる部分はいくつもあるので、よりよい獣医業界のこれからのために是非一読してもらいたいと思う。
 また、なかでも「日本の獣医師がアメリカで獣医師免許を取得するための方法」については特に興味をひかれた。日本ではなかなかそういった情報は手にはいらないので、海外を目指す獣医学生にとっては参考になるだろう。(hadaka)

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